天国の駅
天国の駅
1984年|日本
「わたし…綺麗でしょうか」“かよ”が、この世に残した最後の言葉。美しさ故に、男達の愛と欲望に翻弄された“かよ”が、打算のない純粋な愛を見つけるまでの切実な葛藤を描く女性大作。吉永小百合の初の汚れ役で話題を呼んだ、日本で初めての女死刑囚の物語。天国の駅はたった独りでしか乗れない。昭和四十五年六月十一日、東京拘置所の処刑場で、一人の女がこの世に別れを告げた。林葉かよ──儚くも短い四十七年の生涯。二人の夫を殺害し、世間から稀代の毒婦として指弾されながら、毅然として死刑台に向かっていった女の顔には、愛を全うした者ゆえの美しさがあった。嫉妬深い傷痍軍人の夫による狂気の暴力、同情を装って言い寄る若い警官の身勝手な欲望、裕福な温泉旅館主の底深い好色。こうした男たちに翻弄されながら、かよは人生の歯車を狂わせて悲劇の奈落へと落ちてゆく。そして最後にかよの救いとなったのは、命にかえてもかよを守る男の純粋愛だった。吉永小百合が大胆にイメージチェンジして初の女性死刑囚役に挑んで迫真の体当たり演技を見せた感動の野心作です。愛に生き、愛に殉じた女の美しさをこめた涙のラストシーンが、いま鮮烈に甦ります。
- スマートフォン、タブレットでのご視聴には「MIRAIL」
アプリをインストールする必要があります。
(C)東映